鍼灸

国家資格であるはり師やきゅう師が、専用の鍼やお灸を使用して鍼灸施術は行われます。
鍼灸は、人間が本来持つ自然治癒力を引き出すことを目指す施術です。
どのような仕組みで効果があるのか、鍼灸の詳細をこちらでご紹介していきます。

鍼灸は鍼やお灸でツボを刺激する、東洋医学に基づいた施術方法です。

東洋医学ではエネルギー、血液、体液の流れである「気血水」が滞ることで、不調が現れると考えられています。
気血水が流れる経路のことを、経絡（けいらく）と呼びます。

鍼灸施術は経絡の流れを整えることで、不調の改善を目指していきます。

気血水のバランスを取り戻すためには、経穴（けいけつ）と呼ばれるツボを刺激します。
経穴は私たちの身体に約361箇所あるといわれており、大きさは500円玉ほどとされます。
そのツボの範囲にお灸や鍼を施すと皮膚や筋肉が刺激され、細胞が活性化されることで身体の回復が期待できます。

経絡は全身に流れているため、患部から離れた箇所を施術する場合もあります。

鍼施術とは専用の鍼を経穴に刺すことで、刺激を与える施術方法です。
専用の鍼は髪の毛ほどの細さで、先端が丸くなっているので痛みは少なくなっています。
最近ではディスポ鍼と呼ばれる使い捨ての鍼を使用する整骨院が多いため、衛生面でも安心していただけます。

お灸では、艾（もぐさ）と呼ばれるヨモギの裏側の綿毛を乾燥させたものを使用します。
艾を経穴に置き、燃やすことで刺激を与えていきます。

燃やすため熱いのではないかと不安に思う方もいるかもしれませんが、火傷するような熱さではありません。
身体の内側からじんわりと温まることを感じていただけます。

鍼を刺すことで、筋肉や皮膚に直接刺激を与えることができます。
緊張していた筋肉がほぐされることで、痛みや動かしにくさが緩和されます。
また、筋肉の緊張が緩和すると血流が促進されるため、身体が本来持っている自然治癒能力も高まります。

お灸は熱で血管系を刺激し、血流の流れを良くして治癒力を高めます。
また、血行が促進されると筋肉の緊張もほぐれるため、肩こりや腰痛にも効果が期待できます。

お灸はじっくり熱刺激を与えていくため、時間が経過してから効果を実感することが多いといわれています。

●慢性的な痛みやこり

鍼灸では血行を促進することで、筋肉の緊張をほぐします。
慢性的な痛みやこりの原因は、多くが筋肉の緊張から起こっています。
そのため、鍼やお灸で刺激を与えることで腰痛や肩こり、首の痛みなどの緩和が期待できます。

●体質改善

冷えやむくみ、生理痛、便秘など体質を改善したいと考える方に鍼灸はおすすめです。

・冷え、生理痛

鍼灸によって血行が促進されると身体が内側から温まり、冷えや生理痛が解消されやすくなります。

・むくみ

循環が良くなることで老廃物が排出されやすくなり、むくみの改善が期待できます。

・便秘、胃の不調

鍼灸には内臓機能を高める作用があるため、便秘解消や胃の不調の改善などが期待できます。

●自律神経症状の改善

鍼灸は、乱れていた自律神経を整える作用を期待できます。
交感神経と副交感神経のバランスが整うことで、めまいや動悸、疲労感、倦怠感といった自律神経症状の改善が見込めます。

●精神的な不調の改善

鍼灸は血行促進効果に加え、リラクゼーション効果もあるといわれています。
精神的にも安定してくるため、イライラや不安感、気分の落ち込みといった精神的な不調の改善が期待できます。

鍼灸に怖いイメージを持つ方は多いかもしれません。
しかし、髪の毛ほどの太さの鍼を使用するため、場所によっては少しチクッとする程度で痛みを感じない方が多いです。
また、滅菌処理された使い捨ての鍼を使用するため、衛生面でも安心です。

当院では、硬くなっている筋肉を刺鍼して温める西洋的な考えに基づいた施術と、ツボを刺激することで全身の流れを活発にして回復力を高める東洋的な考えに基づいた2つの施術を合わせて行います。

そのため、肩こり・腰痛・膝関節痛はもちろんのこと、不眠・頭痛・スポーツ障害などの幅広い症状に対応します。

また、便秘症や冷え性などの方は、お灸の熱刺激を組み合わせることにより、体質の改善も期待できます。