肩こり

肩こりは慢性化することが多く、つらい症状で家事や仕事に集中できないという場合も少なくありません。
肩こりは一時的な改善ではなく、根本の原因から対処する必要があります。
そこで、まずは肩こりが起こる原因について知っていきましょう。

●体型や年齢

日本人に肩こりが多いといわれる原因は、体型にあります。
外国人に比べると、日本人は筋肉や骨など体型が華奢な作りになっています。

そのため、重い頭を支える首や肩に負荷がかかり、肩こりを起こしやすくなります。
また、年齢を重ねると筋力が低下してしまうため、負荷に耐え切れなくなることでより肩こりを引き起こしやすくなります。

●筋肉疲労

日常的な姿勢の悪さは、「身体のゆがみ」につながります。
身体のゆがみは筋肉バランスの崩れを引き起こし、肩に余分な負荷が蓄積されるようになります。
そうすると、筋肉疲労により肩の筋肉が硬くなり、肩こりを起こすと考えられます。

また、同じ姿勢が続くデスクワークも肩に疲労が蓄積されることで、肩こりを引き起こしやすくなっています。
さらにパソコンやスマホの長時間使用によって眼精疲労を起こすと、肩周辺の筋肉の緊張を蓄積させることになるため、肩こりを助長させるといわれています。

●血行不良

血行不良は筋肉を硬くする原因になるため、肩こりを引き起こしやすくなります。
ストレスや冷え、生活習慣の乱れ、運動不足などが血行不良を引き起こすおもな原因です。
また低血圧や高血圧の場合にも、血行が悪くなりやすいといわれています。

肩こりの症状には個人差がありますが、肩にだけ症状が現れるわけではありません。
肩以外にも、首や腕などに症状が現れることもあります。

・肩の筋肉に張り感を覚える
・肩や腕まわりが重く感じる
・首から肩にかけて圧迫感がある

また、肩の緊張から自律神経が乱れ、頭痛やめまい、吐き気といった全身症状をともなう場合もあります。

 

●首や肩まわりを温める

肩こりの症状があるときには、首や肩まわりを温めるようにしましょう。
温めることで血行が促進され、緊張していた首や肩の筋肉がほぐれやすくなります。
ホットパックや入浴するなどの方法で首や肩を温めることができます。

●姿勢を正す

肩こりの多くは、姿勢の悪さからくる「身体のゆがみ」が原因に考えられます。
そのため、日常的に背中を丸めないように意識し、重心が偏るような姿勢の習慣を正すようにしましょう。

とくにスマホやパソコンを使用する際には、うつむき姿勢にならないようにお気をつけください。
また、デスクワークでは長時間同じ姿勢が続けないよう、途中で立ち上がるなど工夫してみましょう。

●眼精疲労の解消

眼精疲労は首の筋肉を緊張させる原因になり、肩こりを引き起こしやすくなります。
長時間のパソコン使用の際には、休憩を挟むようにしましょう。
また、画面から目を離して遠くの景色をみたり、目を温めたりすることが疲労回復につながります。

●運動やストレッチを習慣的に行う

運動不足による筋力低下や血行不良は、肩こりを引き起こす原因の一つです。
ストレッチで筋肉や関節の柔軟性を高めましょう。
また、ウォーキングや水泳など適度な運動で筋力を高めることも大切です。

デスクワークで同じ姿勢が続く場合には、腕や肩を回すなど簡単なストレッチを合間に挟むようにすることで、血行不良改善の効果が期待できます。

●生活習慣の乱れを改善する

低血圧や高血圧の方は、血行不良により肩こりを引き起こしやすくなっています。
低血圧や高血圧は、食生活や睡眠、ストレスなど生活習慣の乱れがおもな原因に考えられます。
そのため、まずは根本の原因である生活習慣の乱れの改善から行いましょう。

肩こりはさまざまな原因があるため、カウンセリング・検査などで原因を探し出し、それに合わせた施術を行います。

●鍼灸

肩・肩甲骨・背中まわりの緊張している筋肉を中心に、鍼施術を行います。
苦手でない方はお灸の熱刺激も合わせることで、マッサージに比べてより深部の筋肉へアプローチができるようになっています。

また、冷え性や胃腸が弱い方など、体質が原因で肩こりになる方もいらっしゃいます。
鍼灸では、そのような体質からの改善も期待できます。

●猫背矯正

巻き肩や頭が前に突き出ている猫背の姿勢は、頭の重さを支えている首・肩まわりの筋肉への負担が大きくなります。
猫背のままでは、マッサージでほぐしても時間が経つと戻りやすいため、姿勢を矯正することで原因にアプローチします。

姿勢を崩す原因となっている筋肉をストレッチポールを使って重点的に緩めたうえで、肩甲骨を正しい位置へと戻していきます。
その後、悪い姿勢に戻りにくいよう、生活での注意点などのアドバイスも行います。

●ハイボルト療法

ハイボルトは深部の筋肉の緊張を緩和したり、血流を改善したりするために行います。
手技のみでは取り切れないほど症状が強い方に行います。

●超音波

細かい振動により深部の筋肉に熱を入れ、血流改善を図ります。
ほんのり温かいくらいで何も感じないことが多いため、電気や鍼などの刺激が苦手な方におもに行います。