寝違え

睡眠から目が覚めたときに、首や肩にかけて痛みが生じたものを「寝違え」といいます。
寝違えは首の筋肉や靭帯、その周辺の関節などが炎症を起こしている状態だと考えられています。
それでは、なぜ寝違えは突然起こってしまうのでしょうか？

●日常的な姿勢の悪さ

日常生活での不良姿勢や、デスクワークにより長時間同じ姿勢が続くような場合には、首や肩、腰などの筋肉に負荷がかかり続けた状態になります。
そうすると、負荷が蓄積した筋肉は凝り固まってしまい、寝違えを引き起こしやすくなります。

●血行不良

血行不良を起こすと筋肉が硬くなりやすいため、寝違えを起こすリスクが高まります。
血行不良が起こる原因は冷えやストレス、不良姿勢などが挙げられます。

●寝具が合っていない

寝具が合っていないと寝姿勢が悪くなってしまいます。
寝ている間に何度も寝返りを打つことで筋肉の硬直を予防しています。
しかし、やわらかすぎるマットレスでは寝返りを打ちにくくなってしまいます。

そうすると、同じ寝姿勢の状態が長時間続くことで、寝違えを起こしやすくなると考えられます。
また、枕の高さが高すぎても首が圧迫されるので注意が必要です。

寝違えは、首の痛みや動かしにくさがおもな症状です。
また寝違えによって、次のような症状がみられる場合もあります。

・首から肩にかけて痛む
・首を自由に動かせなくなる
・腕が重いような感じがする
・手足にしびれがある

首以外にも症状が現れるのは、神経が関連している可能性があります。
首には全身につながる多くの神経が通っているため、寝違えることで神経が圧迫されて肩や腕にも症状が出ると考えられます。

●動かさない・触らない

寝違えを起こしたときには、痛みや動かしにくさを確認するために、無理に首を動かそうとする方が多くいらっしゃいます。
また痛みを軽減させようと、マッサージする方もいると思います。

しかし、寝違えた直後は炎症を起こしている状態なので、無理に動かしたり触ったりすることで症状が悪化してしまう場合があります。
そのため、寝違えた後の2・3日間は「無理に動かさない」「触らない」ことを意識しましょう。

●アイシングする

寝違えを起こした瞬間は、炎症が起きていることが考えられます。
患部に腫れや熱を持ったような感じを覚えるときには、アイスパックや氷を入れたビニール袋などでアイシングしましょう。
冷やすことで炎症が抑制され、痛みや炎症の軽減が期待できます。

●日頃から姿勢を正す

顎を軽く引き、背中を伸ばした姿勢を普段から意識しましょう。
姿勢の悪さは首の筋肉への負荷を蓄積させ、寝違えを引き起こす原因になります。

とくに長時間同じ姿勢が続くデスクワークや、スマホをみる姿勢は首に負荷がかかりやすいため注意が必要です。

●寝具を見直す

睡眠中に筋肉が硬直してしまわないよう、寝返りを打ちやすい寝具を選ぶことが寝違え予防につながります。

身体の沈むようなやわらかいマットレスは寝返りを打ちにくいため、硬めのマットレスを選ぶようにしましょう。
また、枕の高さが高すぎると首を圧迫してしまうので、その場合には低い枕に変えてみてください。

●ストレッチを習慣的に行う

ストレッチは筋肉の柔軟性を高めて血行を促進してくれるため、寝違えの予防につながります。
首をぐるりと回すストレッチや、左右上下に動かすような簡単なストレッチだけでも日常的に行うようにしましょう。
とくにパソコン作業が長時間続くような場合には、合間に休憩としてストレッチすることをおすすめします。

当院では「ハイボルト療法」で原因となる筋肉を探し出し、その筋肉を緩めていきます。

その他には「鍼灸」によって首肩まわりの筋肉を緩める場合もあります。
座った姿勢で、腕にある寝違えのツボに響きを感じるくらいまで鍼を刺入しながら首を回していただくと、施術前より動作が改善しやすくなります。

寝違えは施術を3回行うまでに痛みが減る方が多くなっています。
また、寝違えが頻繁に起こる方は寝方などのアドバイスもさせていただきます。